
京映アーツに応募した経緯、選んだ理由は何ですか?
映画を見るのが好きで、学生時代の終わり頃、漠然と映画に関わる仕事がしたいと思い立って、アルバイトの募集を見つけたのがたまたま京映アーツでした。映画の世界は、撮影の担当や照明、美術など分担が分かれているのもなんとなく知っている程度だったのですが、どの担当でもいいからとりあえず映画の世界に入りたいという感じで入りました。何もわからず始めたのですが、結果的には装飾という仕事の楽しさを知り、現在まで続けています。

今までで一番やりがいを感じた作品と、その理由を教えて下さい。
映画「ディア・ファミリー」
時代設定が1970年代だったので、その時代にあったもののリサーチに苦労しました。用意する道具の時代考証はなるべく正確にしようとしていたので、細かい飾り物まで、当時あったという証拠の資料を探しました。特殊な機械や医療機器なども多く、その時代の資料がなかなか見つからず、詳しい人への取材や資料館的なところで話を聞いたりしてなんとか資料を集めました。資料が見つかってもその実物を手に入れることができないことが多かったので、代わりにどんなものを用意できるか探す、という感じで現物を手に入れるまでの道のりが長くて苦労しましたが、物が集まった時に達成感がありました。

今までで一番苦労した作品と、その理由を教えて下さい。
Amazon primeドラマ「龍が如く-Beyond the Game-」
今までの中で一番大きい規模の作品での親方だったので、色々な面で苦労しました。チームや外部の関係者の数など今まで経験している作品よりも多かったため、全体的に把握しなければならなくて、今までより自分の視野を広げなくてはいけなかったのが苦労しました。

ターニングポイントになった作品と、その理由を教えて下さい。
連続テレビドラマ「連続殺人鬼カエル男」
初めて親方でやった連続ドラマです。それまで誰かの助手として作品に携わっていた時とはまるで感覚が違っていて、印象に残っています。親方という立場は自分発信で提案する機会が多く、その楽しさと難しさを知ることができました。助手のスキルと親方スキルって全然違うなーと感じて、色々考え方が変わった気がします。
現場的にかなりハードスケジュールだったのと、初めての親方の立ち回りでかなりつらい作品でしたが考え方が変わった作品だと思います。

この仕事の面白さとは何ですか?
担当する作品ごとに関係スタッフ、作品の設定などが全く異なるので、毎回ゼロからのスタートで、題材によって集める道具の振り幅が大きいので、幅広い分野のことを知ることが出来るのが楽しいです。架空の設定や普段の生活では考えないことを皆本気になって考えていくという環境が好きです。理想のイメージをどうすれば具現化できるのだろうと考えて、それがうまくスクリーンや画面上で表現できていた時には達成感があります。

この仕事の難しさとは何ですか?
ただその空間を作るのではなく、お芝居する空間を作るということが難しいし面白いところだと思います。
誰かの部屋だったら、この人ならこういう趣味でこういう物を飾ってるだろうな、とか、今と全然違う時代の設定なら、時代背景とかその時代の人の生活を知らなければ飾れません。どこまで想像できるかということが難しいなと思います。

この仕事を続けていく上でのモチベーションは何ですか?
飾って空間が出来上がっていく時の楽しさです。準備期間など色々悩んだり苦労はありますが、その悩んだ末、実際に飾ってセットが出来上がっていく時にやりがいを感じます。あとはやはり完成した作品を見る時は楽しいです。

どんな人と一緒に働きたいですか?
好奇心のある人。

応募を検討している⽅にメッセージ
人によって体を動かすことが得意だったり絵を描くのが得意だったり、コツコツ細かい作業が好きだったり、得意不得意な部分がみんなあると思いますが、どんなことでも色々な個性の人が集まると楽しいので、自分の個性を出していって欲しいです。